Smile...
「チャーリー」 1992年 27歳
アメリカで成功したチャーリーが、イギリスへ凱旋する。
ロンドンへ向かう列車の中で、初恋の女性が亡くなっていたことを知らされる。
席を立ち悲しみをこらえるチャーリー。
チャーリーを案じる友人に虚ろに答えるひとこと。
「Smail...」
そのひとことに涙が出た。
字幕では「大丈夫だ」ってでてたけど、「Smail...」って言う声が耳に響いた。
チャーリーは「笑えるさ」「笑って見せるさ」そう言って待ち受けるファンの前に降り立つ。映画のバックに「Smail」がそっと流れていた。
チャップリンの「Smail」だ。
Robert Downey Jr.-Chaplin-Smile.avi - YouTube
ロバート・ダウニー・Jrのアルバム「The Futurist」の最後に収められているのがこの「Smail」。チャーリーのセリフに、ロバート・ダウニー・Jrの歌いだしの情感溢れる「Smail...」の声がすぐに頭の中に流れてきた。
この映画で一番心に残るシーン。
これがクライマックスでも良かったかもしれないと思う。
この後の、4度の結婚、赤狩り、追放、アカデミー授賞式・・かけあしで冗漫な感じだったし、白髪になってからの初老のチャップリンがあまりしっくりこなかったし。
アメリカで成功するまでが、ロバート・ダウニー・Jrの27歳という実年齢ともあっていて、すごくいきいきとしたチャーリーが魅力的だった。夢と希望でキラキラと輝く瞳が瑞々しくて。初恋のヘティにプロポーズするシーンも良かったから、「Smail...」のセリフの悲しみが沁みた。