仔犬
「オンリーユー」 1994年 29歳
第一章のRDJの、カワイイ満載ラブコメ。わはは。
「チャーリー」を撮り終わって、割とノってる頃だったのかな。顔もしまってるしとてもキレイ。他愛のない映画だけどロバート・ダウニー・Jr鑑賞にはなかなかGOOD!
このシーンがもうツボ!
手前の女の子はマリサ・トメイ。怒っている。RDJは怒られている・・んだけど、聞いてない!(笑) 怒られてる途中で膝に頭乗っけて甘える。顔が嬉しそうだし。なんかもうね、叱られてる仔犬みたい!クーンって鳴き声聞こえてきそう。ぶんぶん振れてる尻尾が見えそうだー!
怒ってる?怒ってるの??
クーン♡
クン クーン♡
仔犬(笑)
で、さらに叱られる。 髪つかまれてます(笑)
キャイン♡
「相続人」 1998年
この「相続人」での役は主役の弁護士の手助けをする探偵。
弁護士の元妻に「変態探偵」とか言われてしまうなんとも軽薄なキャラクター。
33歳。
1996年くらいから表面化した薬物問題。逮捕、保護観察、服役。
この作品の前後に「ワン・ナイト・スタンド」「追跡者」があって、オファーが途切れていないのがよくわかる。
最後は殺されてしまう脇役だけど、RDJらしい個性で演じている。けどちょっとパターン演技に見えなくはない、可もなく不可もなく、な感じ。ファンだから採点は甘いのだけどね。
でも、特典映像にあったロバート・ダウニー・Jrのインタビューは、いい状態ではないのがありありだった。受け答えに気持ちがこもってないというか、ぞんざいな感じで。イラついているようにも見えた。力はあるからきっちり演じるけど、仕事がきたからやってる、そんな風。
実際、どん底の時期だったんだろうな。
「ワン・ナイト・スタンド」みたいに役作りで絞ってシャープな身体も見せてくれるけど、もともとはむっちり体型なんだと思う。若さもあって余分な肉が落ちきらないせいもあるんだろうけど、結構アゴのラインがうっかりなことになってることも多いRDJ。この頃は不摂生もあったんだろうね、なんか浮腫んで見える。
まあ、過去の話として言えるのでほんと良かった・・・。
法廷で居眠りしちゃうクライド。
目千両
「チャーリー」を撮ったリチャード・アッテンボローは「瞳に情熱と感情を併せ持つ俳優」とロバート・ダウニー・Jrを評している。
アイアンマンのメイキングの中で、特殊効果のスタッフが言っている。「性格俳優ロバート・ダウニー・Jrの魅力は、あの顔と目だ」と。
そう、あの目。
目千両とはまさにロバート・ダウニー・Jrの目のことだ。
アイアンマンのマスクの中でキラキラと動く瞳。目の動きだけで、スーツを完成させた高揚感を、空を飛ぶ爽快感を表現していた。
迫り来る死を前に、絶望と哀しみと切なさを湛えていた「ワン・ナイト・スタンド」のチャーリーの瞳。ラブコメディでは甘やかな瞳で愛を訴え、サウペンスでは犯罪者の狂気と冷酷を目に宿して見せる。
ほんとうになんという目ヂカラだろう!
夢にまで見るのは「ゲーム・オブ・シャドゥ」のホームズの瞳だ。
宿敵モリアーティ教授に「命も惜しくはない」と言い切るときの瞳の強さ。そしてラスト。モリアーティ教授もろ共、滝に身を投げようとするその刹那、ワトソンを見つめる瞳の決意と愛惜。あの瞳が伝えていたのは愛以外の何ものでもなかった。あんな瞳で見つめられ、そしてそれが最期だったら・・・残された者はどうやって生きてゆけばいいだろう。
ロバート・ダウニー・Jrの瞳。叶うなら、両の手で頬を包んで、あの瞳を飽くまで覗き込んでいたいと思う。
奇跡の男 RDJの第二章
ロバート・ダウニー・Jrのフィルモグラフィーをたどりながら思うのは、ロバート・ダウニー・Jrという男の存在そのものが奇跡のようだということ。
5歳のあの愛くるしい子供が成長して、20代、30代前半をアイドル的に過ごした男が40代でさらに輝きを増している。
若くして名声と人気を得て溺れ、大人になったらぱっとしないとか、あんなに可愛かったのに面影もないとか、身を持ち崩すスターなんていっぱいいる。
まして、ロバート・ダウニー・Jrは子供の頃から薬物問題を抱えていて、それが原因で生まれ持った魅力的な容姿や驚くべき才能をすり減らし朽ちらせることだって有り得たと思う。
20代の頃は、十二分に可愛いけれども、このままでいいの?と、ふと不安が過ぎる雰囲気もある。そういう危うい時期を、過去の作品で見つけられるからこそ、いま、48歳のロバート・ダウニー・Jrを「奇跡の男」だと感じるのだ。
5歳の彼の愛くるしさを保ったまま、素晴らしく格好良い大人の男として立っている。
神様でさえ、ロバート・ダウニー・Jrを愛さずにはいられないのだろう。そんなふうに思う。
だけど人生は公平で、帳尻はあっている。
ドラッグに苦しむという代償なしには、いまのロバート・ダウニー・Jrは存在しなかったのかもしれない。
ドラッグと生きた30年と、薬物と手を切るために過ごした服役・リハビリの数年。どんな苦悩があったか想像もつかないけれど、それを生き抜いたロバート・ダウニーJr.だからこそ、奇跡の男なのだ。
2001年。薬物依存を克服して、クリーンになって帰ってきたロバート・ダウニー・Jrを見よ。神々しいまでに美しいではないか!
「I Want Love」PV 2002年
http://www.youtube.com/watch?feature=related&v=ufbexgPyeJQ&app=desktop
余分なものを削ぎ落とした新生RDJの第二章を私たちは見ている。
「歌う大捜査線」38歳
「ゴシカ」 38歳
「キスキス・バンバン」 40歳
「シティ・オブ・ザ・ドッグス」 41歳
「ゾディアック」 42歳
「アイアンマン」 43歳
「シャーロック・ホームズ」 44歳
REBORN
「レス・ザン・ゼロ」を観る。
ロバート・ダウニー・Jrの「第一章」の終わりが、薬物問題での逮捕、服役ということを知って観る「レス・ザン・ゼロ」は、胸が痛い。
ロバート・ダウニー・Jrが薬物からのSURVIVORでいてくれてほんとうに良かったと思う。「レス・ザン・ゼロ」のジュリアンのように若くして人生を終えていた可能性だってあるんだから。
「ドラッグの力を借りて想像力を高めようとする家族の中で育った」と語っているロバート・ダウニー・Jr。親に与えられたドラッグだった。
5歳の息子にマリファナを吸わせる父親ってなに?7歳の息子にコカインを教える父親ってなんなの??この父親が罰せられることはないの?
ロバート・ダウニーJr.の罪じゃないじゃない? ファンの贔屓を差し引いたってそう思う。7歳で親に与えられたドラッグからクリーンでいられなかったからって、それがその子の責任だなんて誰が言える?苦しんだのは息子だよね。
逮捕されて服役して、リハビリを受けてドラッグを抜いた2年あまり。どんな時間を過ごしたのか想像もつかないけれど、それを生き抜いてくれて、SURVIVORでいてくれて本当にありがとう、と思う。そうでなかったら、トニー・スタークに会えなかった。ホームズにも、ハリーにも、私たちは会えなかった。
第一章のロバート・ダウニー・Jrに、むくんだように見える時や荒んだ表情が滲む時がある。そういう役柄だから、とも言えないような表情。
首をかしげて上目づかいに大きな瞳で相手の顔を覗き込む表情。ラブコメディを演じているときの彼の必殺技だ(笑)。でも第一章のこの表情、叱られた仔犬が甘えるような表情は、受け入れてほしい、見捨てないでほしいと思っているロバート・ダウニー・Jr自身の表れように見える。
第二章ーリハビリを終えて復帰してからのロバート・ダウニー・Jrの表情は違う。大きな瞳で覗き込む仕草は同じだけれど、以前のような甘えではなくて、もっと自信が垣間見える大人の男の表情だ。
30年にわたる問題を克服して再生したロバート・ダウニー・Jrは、ほんとうに格好良い大人の男だ。生来の仔犬のような愛くるしさは残したままの、クールでキュートなロバート・ダウニー・Jr。
第二章のロバート・ダウニー・Jrが大好きだ。
5人分の男 RDJの第一章
「キスキス・バンバン」で共演したヴァル・キルマーが
「ロバートには顔が5つある」と言ってるけれども、ほんとにそうだ。
角度や表情、なによりその役作りで同じ人間とは思えないほどに顔が変わる。
ロバート・デ・ニーロ アル・パチーノ ダスティン・ホフマン ジョージ・クルーニー ・・・。
そのそれぞれに「似ている」というのではないの。似ている、だと、結局は本家には適わない。挙げた俳優たちの、最良の部分、エッセンスだけを取り出して配合するとロバート・ダウニー・Jrになる、みたいな感じ。絶妙に調合された最高の香水のような男。ふふふ、褒め過ぎかしらね。でもそう思うんだよね。
ワンダーボーイズ 30歳
ともかく顔の筋肉がよく動く。表情がくるくる変わる。
思案顔からぱっと大きな笑顔に変わる。
カメラ目線のキメ顔がくちゃっと笑み崩れる。
言葉で答える代わりに目をむいたり、唇つきだしたり、百面相のヘン顔で煙に巻く。
そうして真顔に戻ると、とんでもないハンサムだ。
コミックのスーパーヒーロー、シケた泥棒、インテリの新聞記者、胡散臭いレポーター、ミスリード役の捜査官や医者、ゲイの青年、ヤク中の若者、ラブコメの王子様、世界一有名な探偵に喜劇役者・・・。
どのキャラクターもちゃんとまったく違う男に見える。
ものすごいお得な男だ(爆)
いま48歳だけれど、10代、20代、30代、それぞれでも顔が違ってて、で、どの年代の顔も素敵だ。
20代でラブコメ演ってた頃の、紅い唇してロリポップみたいな甘い天使顔から、頬がシェイプして目尻に良い感じの深い皺を刻んだ渋い40代のいま。ひとりの男の顔なのに、バラエティありすぎ。
ときどき、動画を一日観まくってしまうことがあるんだけど、ぜんぜん見飽きないしすごくシアワセな気分になる。
可愛い♡ 5歳
ときめきサイエンス 20歳
お顔が濃いー
反則技の笑顔 ちょいやりすぎ感もあるけど許してしまう(笑)
ピックアップアーティスト 22歳 表情が少女マンガだ・・
レスザンゼロ 22歳 ドラッグに溺れてゆく
ワンモアタイム 24歳 ラブコメの王道
チャーリー 27歳
愛が微笑む時 28歳 ハートフルコメディも当たり役
オンリーユー 29歳 すこし大人
Mr. Willowby's Christmas Tree 30歳 変キャラも似合う
ホームフォーザホリディ 30歳 ちょっとお肉ついてる感じ
ワンナイトスタンド 32歳 美しいです
アリーマイラブ 35歳
全米がラリー♡マイラブだったとか?
こうやって並べると・・・ふむ。
やっぱり甘いハンサムとしか言いようがないか(爆)
アリーマイラブ出演が2000年。
ここまでがロバート・ダウニー・Jrの第一章だって私は思う。
なぜならば。
2000年11月に薬物所持で逮捕される。
この写真はリアル。映画のシーンじゃない。
その後服役、リハビリ施設収容。
服役を終え、ドラッグを抜いてクリーンな身体になってから、2001年以降がロバート・ダウニー・Jrの第2章。
2000年は大きな節目だったんだろうと思う。
20世紀のロバート・ダウニー・Jrと21世紀の彼。
まあ、どっちも恰好いいんだけどね。
Smile...
「チャーリー」 1992年 27歳
アメリカで成功したチャーリーが、イギリスへ凱旋する。
ロンドンへ向かう列車の中で、初恋の女性が亡くなっていたことを知らされる。
席を立ち悲しみをこらえるチャーリー。
チャーリーを案じる友人に虚ろに答えるひとこと。
「Smail...」
そのひとことに涙が出た。
字幕では「大丈夫だ」ってでてたけど、「Smail...」って言う声が耳に響いた。
チャーリーは「笑えるさ」「笑って見せるさ」そう言って待ち受けるファンの前に降り立つ。映画のバックに「Smail」がそっと流れていた。
チャップリンの「Smail」だ。
Robert Downey Jr.-Chaplin-Smile.avi - YouTube
ロバート・ダウニー・Jrのアルバム「The Futurist」の最後に収められているのがこの「Smail」。チャーリーのセリフに、ロバート・ダウニー・Jrの歌いだしの情感溢れる「Smail...」の声がすぐに頭の中に流れてきた。
この映画で一番心に残るシーン。
これがクライマックスでも良かったかもしれないと思う。
この後の、4度の結婚、赤狩り、追放、アカデミー授賞式・・かけあしで冗漫な感じだったし、白髪になってからの初老のチャップリンがあまりしっくりこなかったし。
アメリカで成功するまでが、ロバート・ダウニー・Jrの27歳という実年齢ともあっていて、すごくいきいきとしたチャーリーが魅力的だった。夢と希望でキラキラと輝く瞳が瑞々しくて。初恋のヘティにプロポーズするシーンも良かったから、「Smail...」のセリフの悲しみが沁みた。