REBORN
「レス・ザン・ゼロ」を観る。
ロバート・ダウニー・Jrの「第一章」の終わりが、薬物問題での逮捕、服役ということを知って観る「レス・ザン・ゼロ」は、胸が痛い。
ロバート・ダウニー・Jrが薬物からのSURVIVORでいてくれてほんとうに良かったと思う。「レス・ザン・ゼロ」のジュリアンのように若くして人生を終えていた可能性だってあるんだから。
「ドラッグの力を借りて想像力を高めようとする家族の中で育った」と語っているロバート・ダウニー・Jr。親に与えられたドラッグだった。
5歳の息子にマリファナを吸わせる父親ってなに?7歳の息子にコカインを教える父親ってなんなの??この父親が罰せられることはないの?
ロバート・ダウニーJr.の罪じゃないじゃない? ファンの贔屓を差し引いたってそう思う。7歳で親に与えられたドラッグからクリーンでいられなかったからって、それがその子の責任だなんて誰が言える?苦しんだのは息子だよね。
逮捕されて服役して、リハビリを受けてドラッグを抜いた2年あまり。どんな時間を過ごしたのか想像もつかないけれど、それを生き抜いてくれて、SURVIVORでいてくれて本当にありがとう、と思う。そうでなかったら、トニー・スタークに会えなかった。ホームズにも、ハリーにも、私たちは会えなかった。
第一章のロバート・ダウニー・Jrに、むくんだように見える時や荒んだ表情が滲む時がある。そういう役柄だから、とも言えないような表情。
首をかしげて上目づかいに大きな瞳で相手の顔を覗き込む表情。ラブコメディを演じているときの彼の必殺技だ(笑)。でも第一章のこの表情、叱られた仔犬が甘えるような表情は、受け入れてほしい、見捨てないでほしいと思っているロバート・ダウニー・Jr自身の表れように見える。
第二章ーリハビリを終えて復帰してからのロバート・ダウニー・Jrの表情は違う。大きな瞳で覗き込む仕草は同じだけれど、以前のような甘えではなくて、もっと自信が垣間見える大人の男の表情だ。
30年にわたる問題を克服して再生したロバート・ダウニー・Jrは、ほんとうに格好良い大人の男だ。生来の仔犬のような愛くるしさは残したままの、クールでキュートなロバート・ダウニー・Jr。
第二章のロバート・ダウニー・Jrが大好きだ。